2020年6月25日木曜日

べらんめぇ!

下町の裏路地は世界一の電波塔を望みながらも、昭和の香りを漂わせている。片隅に咲く紫の手毬は、小さな子が大事にしている宝物のよう。「きれいね」と声をかけられるのを待ちながら、静かにただ静かに、ゆっくり時間(とき)を刻んでいく。




いかがお過ごしでしょうか。営業2課の舘入です。自粛生活から解放され、お出かけになる方も多いことと思いますが、ちょっと一服。テンダイブログにお付き合いください。

私は元来、出不精なので、家で過ごすことはさほど苦痛ではない。外食や市販のお弁当、デリバリーや冷食などがあまり得意ではなく、緊急事態宣言が発令された後も、友人と会うことはなくなったが、食に関しては大きな変化はなく過ぎていった。毎日のお遣いが制限されたことは不満ではあったが、これはほんの小さなこと。容易に我慢ができる。

幸い我が家の近所は静かだ。町内は高齢者が多いせいか大声も聞こえてこないし、一本奥まっているので車も通らない。(んなわけねーだろ!)耳をすませたら、先日見かけた"でんでん虫"の這う音さえも聞こえるのではないだろうか。

休日はDVDで映画を観るも良し、ゴロゴロしながら読書に勤しむも良し、大好きな音楽を心ゆくまで聴き込むも良し。そんな一人の時間が結構気に入っていた。





しかし、どうしたことか。
突如響き渡るデリバリー系のバイク音。
宅配便を乗せて駆け抜ける台車のガタガタ。
不要家電の回収車が迷い込み、ハンドルが切れずに立ち往生。
DIYの範疇をはるかに超えて繰り広げられる、本格的な大工音。
訪ねてきた友人と玄関先で、延々と話し込むおば様たちの声。
パワーを持て余し、家から出てきて、はしゃぐ子供たち。
このまま"クラブ"になるのでは?と思うほどの、大音量のラップ系音楽。
夫婦なのかカップルなのか、近所のアパートから聞こえてくる大げんか。
べらんめえ!静かにしやがれってぇんだ!!
私は少し憂いを帯びた裏路地を、2階の窓からのぞき込むことが多くなった。きっとみんな、コロナと一所懸命向き合っているんだよな。いろいろあるんだよな・・・。

そんな様々な音を煩わしいと思うか、人間らしいと思うかは心の持ちようなのかもしれない。特に子供たちの声が聞こえてくると「がんばれ!がんばれ!」とエールを送りたくなる。
子供を甘やかすのは良くないが、子供らも頑張っている。特に小さい子は、なんだか解らず、いろんなことを我慢させられているはずだもの。
「外に出てきたとき位、大声出したっていいんだよ」
と心の中でひとりごつ。(私はやさしいオバサンなんだ) 
「だがな、スーパーの中では騒ぐなよ!」(ドスをきかせる)
と付け加えることも忘れない。もちろん心の中でだけど・・・

さてコロナ騒ぎの中、筍の旬があっという間に過ぎてしまった。今年は近所のスーパーでいい感じの筍と出会えずに、とうとう食べずじまい。
今頃になって、無性に筍が食べたくなる。そんな時は強い味方のグルメシティーまでひとっ走り。
今はマスクと伊達メガネで、スッピンでもなんとかなるだろう。ありがたや~。と呟きつつサンダルをつっかけて水煮筍を購入、198円也。


有機栽培で200gのホール筍。柔らかくてエグミもなくて、198円は超お買い得。
「どれどれ、輸入者はどこだ?」パッケージの裏を見る。ハハハ!見なくてもわかるんだった。だって、わが社で輸入している商品なんだもの。こりゃ絶対においしいですぞ!

テンダイの有機水煮筍は、炊き込みご飯はもちろん、酢豚に入れてもgood、煮物も手軽で美味しい。変わったところで、久々に「筍のチョナムル」を作った。

チョ→酢 ナムル→和え物の総称

コチュジャンとお酢で和えるお総菜。たくさん食べると飽きてしまうが、久しぶりだったのでお酒を飲みながら平らげてしまった。



「キムパプ」韓国の海苔巻き



「ホバックジョリム」かぼちゃの煮物

ニンニクと青唐辛子を入れて煮る。私は里芋も青唐辛子で煮る。肉じゃがにはコチュジャンを使う。辛いがそれが食欲をそそるのだ。
訝しがって友人らは、「青唐辛子は合わないんじゃない?」と言う。
べらんめえ!食ってからいいやがれってぇんだ!!今や友人らも、すっかり慣れて「もっと辛くてもいいよ」と言うようになった。しめしめ。



ゴーヤのゴッチョリ

ゴッチョリは即席キムチのような、発酵させずに食べるキムチのイメージだそうです
韓国語にはない「チョレギサラダ」の「チョレギ」の語源だという説も。
韓食は食べるのも好きだが、台所の灯りに纏う湯気に溶けこむ、にんにくや唐辛子の匂いが震えるほど好きで、いつもそこから動けなくなってしまう。

そんな食が若干変わってきたここ最近。
コロナとは関係なく「マクロビオテック」という食事法に出会って、通信教育で「マクロビオテックセラピスト」という認定試験を受けた。
「マクロビオテック」は中国の陰陽学をベースに、健康な体を作る食を追求している。マクロビ式の食事にならって、動物性の食材を減らし、ご飯は白米から玄米に変えた。(たまに白米も食べてしまうが)旬を意識し、野菜ならヘタも皮も余すことなく食べる。

最大の敵は「砂糖」。砂糖は身体を冷やすそうだ。確かにアフリカなどの暑い地域で、砂糖を大量に使った甘い食べ物が好まれているのを、テレビで観たことがある。    
暑い地域の人は身体を冷やす食を、寒冷地域の人は温める食を、その土地で育つ食材から摂取する。栄養学など知らない先祖たちから受け継がれた、大事な知恵と文化なのだろう。



マクロビの考え方はとても理解できるのだが、砂糖はなかなか手ごわい!先日も誘惑に負けてチーズケーキを焼いてしまった。自分用なので、適当にササっと作る。
タルト部分は全粒粉、砂糖は甜菜糖を使用したが・・・
べらんめえ!砂糖であることには変わらねぇってぇんだ!!
これを2日ですっかり食ってしまった時、己を知る―。


ちょっと賑やかになった下町の裏路地。人々の生活は少し変わったかもしれないが、小さな町にそびえる世界一の電波塔は、変わることなく今日も誇らしげに佇んで、人々の喧騒を見守っている。
皆様、どうぞご自愛ください。またご家族もお大事になさってくださいませ。


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